ボバルーイスと呼ぶのでしょうか、12弦ギターの流麗なイントロからマージービートを彷彿とさせるパワーポップへと流れ込む楽曲を奏でるこの人たちは、70年代末から80年代初めにシングル2枚を残したサリー州ハーシャムのモッド/パワーポップバンドです。
ハーシャムと聞いて、あのSham69を連想したのですが、やはり人に歴史有り! メンバーのデイヴ・パーソンズとニール・ハリスはのちSham69に参加しています。このBobalouis参加前も関わりがあったようですので、つまりは同じ街のバンド仲間だったのでしょうね。
元々このバンドはExcaliburという名前で、その同じ街の音楽仲間でありSham69のリーダー、ジミー・パーシーの薦めもあって名前をBobalouisと変えたようです。
メンバーはフー、ストーンズ、キンクス、ビートルズが好きで、まさに当時のモッド・リヴァイバル/パワーポップ路線のバンドだったんでしょうね。音が何よりの証明。The V.I.P.Sも連想しました。
WEAとアルバム1枚の契約までしていたものの、実際はリリースまでには至らなかったようです。この路線で、さらにソリッドな感じが強まって、アルバムまで出してたら面白かったようにも思いますが、まあそれは、その後の英国シーンの栄枯盛衰を見たが故の、妄想がかった後知恵ですけども(笑)。
Bobalouis - Please Please Me (The Beatles Cover)
このシングルのB面はこの超有名曲のカヴァー。今更言うまでもないですけれど、名曲ですね。演奏も良いですが、ちょっとばかり遠慮気味に感じるというか、大胆な解釈ではありませんね。
1980年12月のリリースということで、あのジョン・レノンの死と同月になってるのは偶然なのでしょうか。それとも、急遽録音したのか、そのあたりはわかりませんが。
それにしても聴くたびに、良い悪いを別にして、当時のタイミングというものを考えてしまいますね。思い起こせば英国ロックシーンはポストパンク/オルタナティヴへと流れていく時代で、1980年末〜1981年では、流れの早い当時の英国シーンではパワーポップはそろそろ旬を過ぎていました。ストレートな60'sリバイバルとなるとなかなか難しかっただろうなと。
でも、もしあと2、3年頑張ってたら、ネオモッドがアメリカのペイズリーアンダーグラウンド(スリーオクロック、バングルズなど)とも自然と繋がったように、活路があったようにも思うんですよね、たとえばスクワイアのように。だから何だか惜しい気がしてしまうんですよねぇ・・・そんな、4月初めのポップ妄想でした(苦笑)