MUSICHEART DIARY

multics.exblog.jp
ブログトップ

The Small Price Of A Bicycle - The Icicle Works (1984)

 イアン・マクナブが80年代に率いたリヴァプールの三人組アイシクル・ワークスの2ndアルバムは、1stのネオサイケデリックな路線から一転して、アメリカンロックからのインプットを強く感じさせる作品となっています。それだけの理由で一般的な評価は決して高くはないのですが、この変化は1stで貼られてしまった「内向的な文学青年」というイメージに固定されるのをマクナブが嫌がった結果。しかしこれだけで否定的に断じてしまうのはもったいないというもの。それにもともと音楽的な影響として彼がこういった要素を強く持っていたのは事実でしょうし、一時的な気の迷いではなかったのはその後の作品を聴けばよくわかります。ですから、もう少し肯定的に受け取ってあげて良い作品、そう思う訳です。

e0133591_2330737.gif

 それどころか、英国のニール・ヤングとさえ呼ばれるに至った後のソロアーティストとしての活動を考えれば、その音楽的出発点として、積極的な評価も決して不自然ではない。裏ジャケットに見られるバッドフィンガーの"Wish You Were Here"のちょっとしたパロディーや、そこに見えるラモーンズの文字などにも彼のルーツがちりばめられていて微笑ましいですし、なにより、彼のあのオーソドックスなソングライティング-ポップなメロディー、フックの効いた曲作り-は少しも変わっていません。"Seven Horses"や"Hollow Horse"といった名曲のみならず、シングルではバーズの"Goin' Back"をカヴァーしていたりと、オーセンティック・ロックンロールへの夢見るような回帰が非常に興味深いアルバム。これもNew Waveと称された音楽の多彩な側面のひとつだったのです。

Hollow Horse

When It All Comes Down
[PR]
by penelox2 | 2008-02-12 23:32 | I