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Steve McQueen - Prefab Sprout (1985)


 希代のソングライター、パディー・マッカルーン率いるプロジェクト、80年代にニューウェーヴ、特に日本ではネオ・アコースティックの洗礼を受けた人間にとっては特別の存在のひとつ。英国北部New Castleで1977年に弟マーティンと始めた奇妙な名前のバンド、その名前はナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドの"Jackson"の歌詞の聴き間違いから来ているとのこと。のち、女性バッキングボーカルにウェンディー・スミスを加え3人編成となり82年に自らのレーベルCandleからシングル"Lions In My Own Garden"をリリース。英国の名物DJジョン・ピールの寵愛を受け、地元New Castleのキッチンウェア・レコード(配給はCBS)と契約、以後の活躍は皆様も御存じの通りです。その長い活動においてシングルの大ヒット、というのがなかった事、またそれにもかかわらずパディーの傑出したソングライティング能力から常に一定の支持が途絶えることがなかった事、そしてめったにライブをやらない事から、一般的にはあまり表に出たがらないカルト的バンド、と見られているのが残念...もっと幅広い層に聴かれてしかるべき音楽だと思いますからね。

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 ジャズ、ブルース、フォーク、C&W、いわゆるスタンダードと呼ばれるであろう(特に50's-60'sの)映画音楽からの音楽的フィードバック、アメリカの文化的黄金時代をモチーフにしたとおぼしき、人々の夢と悲しみをまた映画を見るかのようにロマンチックに紡ぐ歌詞、これらが織り込まれた非常にセンスの良い音世界が一貫した彼等の個性であると思いますが、個人的に思い入れが強いのは最初の2枚-シンプルだが味わい深い1st"Swoon"(1984)、そしてこのトーマス・ドルビーの手によるオーソドックスなポップロック色が強い2nd。特にこの2nd"Steve McQueen"(アメリカでは法的問題から-当然あの名優の名前ですからね!-"Two Wheels Good"と改題)は、3rdでの派手なAOR的音作り、4th以降の密室的世界にはない快活さと味わい深さの絶妙なバランスの良さがあり、80's半ば当時の「ネオ・アコースティック」な括りに入れても一番違和感がなかったと思います。その後の作品にそれほど思い入れがない私の偏った見方であるにしても、ここでのバランスの良さは狙って出来る訳ではなく、その後「ギターポップ」と「AOR/ソウル」に二極分化して行ってしまうそういった音楽の流れをギリギリのところで結び付けているその立ち位置が、いまだに眩しい、夢のような永遠の名作。

When Love Breaks Down

 アルバムでは"Goodbye Lucille #1"というタイトルでした。実に切ない、過ぎ去った日々を思うと泣けて来る名曲。
Johnny Johnny

Appetite

Faron Young
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by penelox2 | 2008-02-12 23:47 | P