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Pacific Street - The Pale Fountains (1984)

 一時的な再結成ギグを2008年の2月に行なうと宣言したペイル・ファウンテンズ。1980年にマイケル・へッド(Vo/G)を中心にリヴァプールで結成された彼等。当時としてはとても珍しかった、60年代の影響 - ビートルズのみならずバート・バカラックやジョン・バリーといった職業作曲家の影響 - を全面に出した彼等の音楽は、同じように真摯な姿勢でメロディアスな良心的ポップソングを奏で始めたアーティスト達と並べて、たとえばそれは日本では「ネオ・アコースティック」と呼ばれたのですが、今の若い世代の耳にはどう届くのでしょうか。一般的にイメージされるような80年代的な音でないことに新鮮な感動を覚えるでしょうか。それとも、固定された「ネオアコ」のお洒落イメージとはかなり違うことがわかって驚くでしょうか。いずれにせよ、ぜひ届いて欲しいなと思います。Virginから84年にこのデビューアルバム"Pacific Street"、85年にはイアン・ブロウディー制作による2nd"...From Across the Kitchen Table"を発表していますがその直後に残念ながら解散、マイケルはリードギタリストの弟ジョンとともにシャック(Shack)を結成しています。その後はMichael Head & The Strands名義のソロ作品もありましたが、ずっとシャックを続けており、最近ではファンだというかのオアシスのノエル・ギャラガーの支援を受けたりもしていますね。それがここに来て上のような展開になった訳ですが、何か心境の変化でもあったのでしょうか。

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 彼等の1st、今の耳で改めて聴いてみたのですが、当時から影響を広言していた60'sの西海岸のバンド、Loveを彷佛とさせる幻想的なアシッド感覚が感じられるフォークロック的な演奏、90年代初めには同じ60年代のA&Mの商業ポップスと比較されたトランペットやパーカッションを多用したアレンジメントもやはり今ではかなりサイケデリックな響き。そこに乗るマイケル・へッドのVoが紡ぐ青春の感傷を感じさせるどこまでも儚く淡く、しかし必ず鮮やかなサビを持つセンス溢れるメロディー・・・今となっては、その影響下にあるバンドは、いくらでもいそうで、その実、なかなかいない独特の味わい。これが彼等を唯一無二の存在たらしめているなという事を再確認出来ました。個人的には、さらに快活な音を鳴らした2ndの方が高い評価をしていますが、このデビューアルバムも、「ネオアコ」云々のカテゴライズを抜きにしても(いや、抜いた方がさらに)、本当に素晴らしい作品。普遍的なポップスとして永遠に耳に残る"Reach"、"Something On My Mind"、"Southbound Excursion"、"You'll Start A War"。むせぶようなトランペットのサイケデリックなオープニングから一転して爽やかに展開する微熱感のある"Beyond Fridays Field"、これもとまどわせるようなシュールなイントロから一気に爽快に進む"Abergele Next Time"、夢幻的な"Unless"、"Crazier"。どれもこれも、皆、やっぱり懐かしいし、その瑞々しさは今でも失われていません。CDになって収録された名曲の数々-来日公演で聴けた"Palm Of My Hand"、渋くジャジーな"Love's A Beautiful Place"、ストリングスが入って来るタイミングがズルいとさえ思う"Meadow Of Love"、当時は大感動であった"Thank You" - も嬉しい。

You'll Start A War

Palm Of My Hand

Just A Girl

Thank You
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by penelox2 | 2008-02-14 00:35 | P