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The Look - I Am The Beat (1980)




 ザ・ルックなんて名前だと、どうしてもほぼ同じ頃存在した日本のバンドを思い出してしまいますが、こちらは英国ケンブリッジシャー、イーリー出身の4人組。

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 余談ですが実際にはこの両者、活動時期は少しずれています。英国の方の人達の活動期間が主に1979年から1983年までであるのに対し、日本の方は1985年にデビューですので。

 考えてみれば当時、H2O(エイチツーオー)というグループも英日両方に存在しましたよね。遠く離れた人間が、ほぼ同じ時期に同じ名前をつけたいと思うのは、何なんでしょうね。そんな衝動に誘うトランスパーソナルな、ミステリアスな何かがあるのか・・・(笑)。

 あるいは単純に、実際はよくあることなんだけれどもバンド数が少ない当時だから目立つのか。まぁたぶん、後者でしょう。今ならバンドの数が多過ぎて、トリヴィアにもなりませんもの。ちょうどThe Penelopesが日仏両方に存在するように!(笑)



 ザ・ルックに戻りますと、彼らは元々はブログレッシヴロックバンドでThe Kreedという名前で活動していたのですが、ロンドンに進出したときに名前を変更したとあります。ちなみにその名前は60年代の英国女優ジーン・シュリンプトンから来ているのだそうで。


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 1981年に全英6位まで上昇するこの曲で一躍脚光を浴びるのですが、ヒットはこの曲だけに留まり、ある種お決まりのネーミング(私自身は嫌いなので書きません)が彼らに冠されることとなりました。

The Look - I Am The Beat (video clip)



 このSongfactsというページに色々な事実が書いてありますね。裏話がなかなか苦いですが、ありそうな話でよくわかります。


 Vo/Gのジョニー・ウェットストーンによれば、このモータウンにインスパイアされた曲は彼らの代表的なNew Waveサウンドではなかったと。偶然出来たので、満足してなかったと。レーベルはブラスを加えたがった(確かにそうしたらティアドロップエクスプローズやデキシーズ、マッドネスみたいな音になったかも知れないですね)が自分たちはハモンドオルガンの音が好きだったと。レーベルはヒットになると思わないからプロモーションにお金をかけなかったと。お金がなかったんで、MCAのフロントの女の子にプロモーションのレコードをもらって、それらを売ったとか。ヒットしてシャンパンは出て来たが食べ物はなかったとか。


 歌詞が音楽での大成功の夢のなかにいるような内容ですから、現実のエピソードとのコントラストが何とも、なのですが、そうやって自虐的エピソードでバランスを取るところがまたいかにも英国人らしい(私の知る限りの)とも思えて、それで余計好きになってしまったという・・・何とまあ(笑)。


 私は恥ずかしながら最近知ったクチですのでまだまだ聴き込みが足りないのですが、今の段階ではやっぱり上の"I Am the Beat"が一番シンプルで魅力的に思います。



 なお彼らはオリジナルメンバー3人で近年再結成し今もアルバムリリースを含め活動を続けています。

The Look Official Page(Facebook)

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by penelox2 | 2015-04-11 09:50 | L

Cloudcuckooland - The Lightning Seeds (1989)

 70's末から80's New Waveシーン、特にリヴァプールシーンにおいてはBig In Japanを振り出しに、Original Mirrors、Careのメンバーとしての活動、そして並行してEcho & The Bunnymenを始めとする同郷のアーティストたちのよき理解者/プロデューサーとしてその名を知られ、以降全英のポップロックに欠かせない人物となった感のあるイアン・ブロウディー(1958年生まれ)。その彼が三十路に入ろうかという80年代末にソロプロジェクトとして立ち上げたのがこのライトニング・シーズ。以後、プロデュースと並行して、ツアーメンバーやコラボレーションに常に興味深い人選を重ねつつアルバムを数枚リリース。96年にはコメディアンDavid Baddiel、Frank Skinnerと組んでのサッカー・ヨーロッパ選手権のイングランド代表の公式ソング"Three Lions"(これは名曲)が全英ナンバー1を記録したのはいまだに記憶に新しいところ。

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 他のアルバムももちろん評価すべきですが、私にとって最も鮮烈な印象が残っているといえばこのデビューアルバムであり、シングルとなった"Pure"("All I Want"を含め、大半の曲が実に素晴らしいのですが)。個人的には、88年在英時にBBCラジオのション・ピールの番組で初めて聴いた時の目が覚めたような爽やかな印象が今でも忘れられないのです。ネオアコースティック派(そのリヴァプール・メロディック支部、とでもしておきましょうか)の流れを汲む優しいメロディー、そして当時並行して(たとえばニュー・オーダーに代表される)ひとつの流れとなっていたエレクトロ/シンセポップの新鮮なアレンジをアコースティック感覚と見事なバランスで混ぜ合わせた、80'sポップのある側面のひとつの良質の模範解答、とでも言うべきポップ...。当時30過ぎのおっさんがこんな無垢なロマンチシズムに彩られた、こんなにも青春した音楽を出すというのは、ある種の勇気を与えてくれる行為でした。ナーディーな眼鏡ともども、90年代以降の英国良心派ポップミュージック、その中年部門の隠れた模範になったとさえ言えるかも知れない好盤。

Pure

All I Want

Three Lions
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by penelox2 | 2008-02-12 10:15 | L