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The Passions - I'm In Love With A German Film Star (1981)



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 The Passions(ザ・パッションズ)は、ロンドンはシェパーズブッシュを拠点に78年~83年にかけて活動した、New Wave/ポストパンク系に括られる人たちです。私は彼らが活動してる頃は全く知りませんでしたので、今ちょっとずつ聴いては、彼らの全体像を掴もうとしている、という段階です。


 最大の特色はバーバラ・ゴーガン(Vo/G)の内省的な歌声と、リヴァーヴを多用したクライヴ・ティンパリーのギターサウンド。ということになるでしょうか。ティンパリーは、The Clashのジョー・ストラマーが在籍したことで知られるThe 101ersのメンバーだったそうで。でもThe 101ersって、時代もありますがこんなギターサウンドではなかったですよね。ですから、このバンドに加入して形成して行ったギターサウンドなんでしょうね。


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 "Michael & Miranda"(1980)、"Thirty Thousand Feet Over China"(1981)、"Sanctuary"(1982)と3枚リリースしたアルバムで、最後まで在籍したのはゴーガンですので、彼女の求める世界を核としたバンドだったと言えるでしょうか。上に挙げたのは2ndアルバムより、UKチャート25位まで上昇したシングルです。もっともチャート的に成功したこの曲が、現在まで代表曲として知られることとなりました。


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The Passions - I'm in Love with a German Film Star (Top Of the Pops)



 雰囲気のある声が穏やかに、美しいメロディーを淡々と紡ぎます。あまりドラマチックに展開しないのが味があって良いですね。ギターサウンドはポストパンク勢のなかでも特にネオサイケデリック的と呼べそうなもので、それらが一体になって繊細で透明な世界を形成しています。コクトーツインズに通ずるものもありますね。

 今ならシューゲイザーとか、ドリーム・ポップと括られるような幻想的な音楽が好きな方にもお薦めかも知れません。個人的には、むしろ現代の方がこういう音を出すバンドは多いような気もするぐらい、昔の音という感じがしないです。興味津々で聴いて行ってるところです。


 同じ2ndアルバムからの他の楽曲を聴きますと、自分達のスタイルを貫きつつ、単調にならないように変化をつけているのだろうなと感じます。こういうタイプの音楽を「普遍的」という言葉で形容するのは相応しいのかはわかりませんが、特定の時代に留まるアレンジにはなってませんね。やはり、作られた1981年から30何年も経ってるのが信じられなくなります。


The Passions - Runaway



The Passions - The Square



 キュアーで知られるFiction Recordsから出してたというのもまた興味深いです。日本盤は当時出てなかったような気がしますが、どうでしょうか。今回は2ndアルバムの曲ばかりでしたが、また他のアルバムの曲についても、いずれ書いてみたいです。
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by penelox2 | 2015-04-14 23:13 | P

The Pale Fountains - (Don't Let Your Love) Start a War (1984)




 彼らほど時代を超えて『瑞々しい』という言葉が似合うアーティストというのもそれほど多くない気がします。80年代の英国リヴァプール=心洗われる音楽に出会える場所、といつも感じているのですが、なかでもいつも特別、いつも新鮮に聴けるのが、このペイル・ファウンテンズなのです。

 ここでは1stアルバム"Pacific Street"(1984)からの楽曲をいくつか。2ndアルバム"...From Across the Kitchen Table"からの曲はまたいずれ。


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The Pale Fountains - Reach



The Pale Fountains - (There's Always) Something on My Mind



 まさしくエヴァーグリーン・・・。
 自分自身、これまでずっと人生のなかで、この瑞々しさに時折触れては、また心が生き返るというのを繰り返して来た気がします。1984年の春のはじめの、陽の光に、風に触れては再生するという感じでしょうか。当時18歳、リアルタイムで触れましたので、人格形成に関わったのは間違いないですね(笑)


 洋楽のことを詳しく知らない人でも、ビートルズは知ってますよね。もしそういう人と親しくなって、音楽の話をしなきゃいけなくなったらたぶんこう言っておすすめするでしょうね。思い入れたっぷりに!


60年代にビートルズがいたように、80年代にはペイル・ファウンテンズがいた。


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by penelox2 | 2015-04-12 11:12 | P

Pacific Street - The Pale Fountains (1984)

 一時的な再結成ギグを2008年の2月に行なうと宣言したペイル・ファウンテンズ。1980年にマイケル・へッド(Vo/G)を中心にリヴァプールで結成された彼等。当時としてはとても珍しかった、60年代の影響 - ビートルズのみならずバート・バカラックやジョン・バリーといった職業作曲家の影響 - を全面に出した彼等の音楽は、同じように真摯な姿勢でメロディアスな良心的ポップソングを奏で始めたアーティスト達と並べて、たとえばそれは日本では「ネオ・アコースティック」と呼ばれたのですが、今の若い世代の耳にはどう届くのでしょうか。一般的にイメージされるような80年代的な音でないことに新鮮な感動を覚えるでしょうか。それとも、固定された「ネオアコ」のお洒落イメージとはかなり違うことがわかって驚くでしょうか。いずれにせよ、ぜひ届いて欲しいなと思います。Virginから84年にこのデビューアルバム"Pacific Street"、85年にはイアン・ブロウディー制作による2nd"...From Across the Kitchen Table"を発表していますがその直後に残念ながら解散、マイケルはリードギタリストの弟ジョンとともにシャック(Shack)を結成しています。その後はMichael Head & The Strands名義のソロ作品もありましたが、ずっとシャックを続けており、最近ではファンだというかのオアシスのノエル・ギャラガーの支援を受けたりもしていますね。それがここに来て上のような展開になった訳ですが、何か心境の変化でもあったのでしょうか。

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 彼等の1st、今の耳で改めて聴いてみたのですが、当時から影響を広言していた60'sの西海岸のバンド、Loveを彷佛とさせる幻想的なアシッド感覚が感じられるフォークロック的な演奏、90年代初めには同じ60年代のA&Mの商業ポップスと比較されたトランペットやパーカッションを多用したアレンジメントもやはり今ではかなりサイケデリックな響き。そこに乗るマイケル・へッドのVoが紡ぐ青春の感傷を感じさせるどこまでも儚く淡く、しかし必ず鮮やかなサビを持つセンス溢れるメロディー・・・今となっては、その影響下にあるバンドは、いくらでもいそうで、その実、なかなかいない独特の味わい。これが彼等を唯一無二の存在たらしめているなという事を再確認出来ました。個人的には、さらに快活な音を鳴らした2ndの方が高い評価をしていますが、このデビューアルバムも、「ネオアコ」云々のカテゴライズを抜きにしても(いや、抜いた方がさらに)、本当に素晴らしい作品。普遍的なポップスとして永遠に耳に残る"Reach"、"Something On My Mind"、"Southbound Excursion"、"You'll Start A War"。むせぶようなトランペットのサイケデリックなオープニングから一転して爽やかに展開する微熱感のある"Beyond Fridays Field"、これもとまどわせるようなシュールなイントロから一気に爽快に進む"Abergele Next Time"、夢幻的な"Unless"、"Crazier"。どれもこれも、皆、やっぱり懐かしいし、その瑞々しさは今でも失われていません。CDになって収録された名曲の数々-来日公演で聴けた"Palm Of My Hand"、渋くジャジーな"Love's A Beautiful Place"、ストリングスが入って来るタイミングがズルいとさえ思う"Meadow Of Love"、当時は大感動であった"Thank You" - も嬉しい。

You'll Start A War

Palm Of My Hand

Just A Girl

Thank You
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by penelox2 | 2008-02-14 00:35 | P

Steve McQueen - Prefab Sprout (1985)


 希代のソングライター、パディー・マッカルーン率いるプロジェクト、80年代にニューウェーヴ、特に日本ではネオ・アコースティックの洗礼を受けた人間にとっては特別の存在のひとつ。英国北部New Castleで1977年に弟マーティンと始めた奇妙な名前のバンド、その名前はナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドの"Jackson"の歌詞の聴き間違いから来ているとのこと。のち、女性バッキングボーカルにウェンディー・スミスを加え3人編成となり82年に自らのレーベルCandleからシングル"Lions In My Own Garden"をリリース。英国の名物DJジョン・ピールの寵愛を受け、地元New Castleのキッチンウェア・レコード(配給はCBS)と契約、以後の活躍は皆様も御存じの通りです。その長い活動においてシングルの大ヒット、というのがなかった事、またそれにもかかわらずパディーの傑出したソングライティング能力から常に一定の支持が途絶えることがなかった事、そしてめったにライブをやらない事から、一般的にはあまり表に出たがらないカルト的バンド、と見られているのが残念...もっと幅広い層に聴かれてしかるべき音楽だと思いますからね。

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 ジャズ、ブルース、フォーク、C&W、いわゆるスタンダードと呼ばれるであろう(特に50's-60'sの)映画音楽からの音楽的フィードバック、アメリカの文化的黄金時代をモチーフにしたとおぼしき、人々の夢と悲しみをまた映画を見るかのようにロマンチックに紡ぐ歌詞、これらが織り込まれた非常にセンスの良い音世界が一貫した彼等の個性であると思いますが、個人的に思い入れが強いのは最初の2枚-シンプルだが味わい深い1st"Swoon"(1984)、そしてこのトーマス・ドルビーの手によるオーソドックスなポップロック色が強い2nd。特にこの2nd"Steve McQueen"(アメリカでは法的問題から-当然あの名優の名前ですからね!-"Two Wheels Good"と改題)は、3rdでの派手なAOR的音作り、4th以降の密室的世界にはない快活さと味わい深さの絶妙なバランスの良さがあり、80's半ば当時の「ネオ・アコースティック」な括りに入れても一番違和感がなかったと思います。その後の作品にそれほど思い入れがない私の偏った見方であるにしても、ここでのバランスの良さは狙って出来る訳ではなく、その後「ギターポップ」と「AOR/ソウル」に二極分化して行ってしまうそういった音楽の流れをギリギリのところで結び付けているその立ち位置が、いまだに眩しい、夢のような永遠の名作。

When Love Breaks Down

 アルバムでは"Goodbye Lucille #1"というタイトルでした。実に切ない、過ぎ去った日々を思うと泣けて来る名曲。
Johnny Johnny

Appetite

Faron Young
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by penelox2 | 2008-02-12 23:47 | P