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Taylored In Silk - Johnnie Taylor (1973)

 「ソウルの哲学者」と呼ばれるジョニー・テイラー。1938年アーカンソー生まれ、メンフィスに育ち、60's後半から70's初めにおける南部R&B〜所謂サザンソウルの転換期において、ノーザンソウルマナーと熱いサザンソウル魂を融合させた"Who's Making Love"のヒットを68年に放ったシンガー。その後はディスコブームの76年に放った"Disco Lady"の大ヒットで、ディスコ系シンガーであるかのようなレッテルを貼られることもあったようですが、以後2000年に亡くなるまでマラコなどのサザンソウル専門レーベルを根城に地道な活動を続けました。

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 この世代のアフリカ系アメリカ人シンガーの例にもれず、ゴスペルをルーツにMelody Kings(この時代に師にあたるサム・クックと出会っています)、Five Echoesといったグループで活動。その後サム・クックの在籍していたThe Highway QCs、そして彼の後を追うように今度はクックの後釜としてThe Soul Stirrersに加入。彼の特徴は同年代のウィルソン・ピケットやボビー・ウォマック、さらにはオーティス・レディングといったサザン・ソウル・シンガーとはまた違う、独特のコシと溜めが入った濃厚な唄い回し。ダンスにもバラードにも対応できるリズムセンス。そして最初に書いたニックネームの元となった、男女関係に絞った歌世界を徹底して追求-これが70's後半のディスコが一段落して以降のサザン・ソウルの大きな特徴になった訳で、結果的にはローカリズムへと落ち着いて行ったサザン・ソウルのイノヴェイターでもあった...とも言えるでしょう。このアルバムで私のお薦めと言えば"Getting Careless With Our Love"。北部風の流麗なストリングスが心地良いこのバラードは、そのアレンジゆえ、かえってサザン・ソウル・バラードシンガーとしての持ち味が強く印象づけられる曲で、"Who's Making Love"のようなダンスチューンだけではない彼の魅力がここにあると思います。

Getting Careless With Our Love

Who's Making Love
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by penelox2 | 2008-02-11 23:08 | T

The Irma Thomas Collection - Irma Thomas (1996)

 たとえばアレサ・フランクリンのような、全米規模でのスーパースター、もしくは時代の象徴として君臨した訳ではないけれど、60'sソウルを語る際に忘れてはならない存在。そんな人々はたくさんいるのですが、その割にあまり紹介されないのが非常に残念なところ。そのひとりが、「ニューオリンズのソウル・クイーン」としてその惨然たる足跡をかの地の音楽史に残すこのアーマ・トーマス

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 1941年にルイジアナに生まれ、10代の頃から教会で歌い始め60年にレコードデビュー。かのローリング・ストーンズの"Time Is On My Side"、オリジナルは実は1963年の彼女の曲なのです。60年代にはその独特のソウルフルなボーカルを聞かせたものの、70年代以降はブルースにも接近、現在も音楽活動を精力的に展開中。そのオリジナルの"Time..." やヒット曲"Wish Someone Would Care"はもちろん味わい深い名曲ですが、80's育ちの私としては英国のコメディー女優/歌手のトレイシー・ウルマンが83年にカヴァーしヒットした事で知られる"Breakaway"(オリジナルはジャッキー・デ・シャノン)が今でも印象的。ハスキーではつらつとしたボーカリゼイション、そこに北部的な洗練とは違ういなたさ、メンフィスソウルとも違う独特の開放感(これはDixie Cupsにも通じます)が感じ取れるところがやはりニューオリンズ。かの地の温かみと人間味が伝わって来ます。

"Breakaway" and "It's Raining"
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by penelox2 | 2008-02-11 18:04 | T